謎に包まれた補助吊架線-東海道新幹線停電事故



さて、昨日は新幹線の架線が切れて停電、約3100人が閉じ込められたこの事件。原因は線路の上に張ってある架線の切断、正確には、架線の中でも一番下にある新幹線に電力を供給するトロリー線を水平に張るため補助吊架線がことらしい。新幹線の架線は、上からの吊架線、今回切れた補助吊架線、一番下に直接新幹線のパンタグラフと触れるトロリー線で構成されている。新幹線はトロリー線と線路の間の電位差で動いている。つまり、トロリー線と線路をつなげるとショートするわけだ。なお、新幹線は交流電流を流すため極性はない。
しかし電圧が加わっているのはトロリー線だけではない。絶縁部分は架線と支柱の間にあり、架線を構成する三本共に電圧がかかっている。
今回は、それが切れて垂れ下がり、線路に接触したかはわからないが、地面に落ちただけでものすごい火花が散ったと思われる。何せ新幹線の架線と線路の間の電圧は25000ボルト、線路に触れなくても、地面に近づくだけで放電を起こす。そして、その火花がのり面の草に引火して200平方メートルぐらい燃えたらしい。架線が切れたためもちろん停電。
そして、その後調査でその架線が切れて火花が散って引火した直前に現場を通過した東京発のこだま659号が絡んでいるとわかった。また、切れる直前に通過した新幹線(おそらくこだま659号)が通過した時に「ドーン」という音を聞いたという証言もあった。そして、こだま659号を調べると十二号車のパンタグラフが破損。上半分が吹き飛んでいた。なお、こだま659号は300系で運行されており、六号車と十二号車の屋根にパンタグラフがついている。なお、下り線のため六号車の方が前となる。
そして、二つの距離は約150メートル。確かに150は長いと思うかもしれないが、新幹線は約時速270キロメートルで走っているのを忘れてはいけない。秒速に直すと約秒速75メートル、六号車のパンタグラフが現場を通過してから、十二号車のパンタグラフが通過するまで二秒間しかない。もし、補助吊架線の老朽化等で切れた所に列車が突入した場合は、二つとも壊れているだろうし、かといってパンタグラフの異常なら補助吊架線だけでなくトロリー線も切断、もしくは損傷するはずだが、トロリー線に損傷は見あたらない。
さあ、あのとき現場で何があったのだろうか?

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