灘校パソコン研究部のサーバーシステム


さて、ゴールデンウィークの情報の課題も終わり、何とか一服・・・・と思いきや、いきなりアジア太平洋情報オリンピックがあるんですね。だめだこりゃ。
では、このアジア太平洋情報オリンピックが終わったら何をするのか?
灘校パソコン研究部のシステム開発、まあ要はサーバー構築ですわ。
現状だと、Hyper-Vとそれらのクラスタを構成したのみで、実践的なクラスタ構成もいまいちですし、Linuxサーバーの復旧のめどが立っていません。まあ、Linuxサーバーの復旧はそう大して時間かからないのですが、どちらかというと、今後のプロジェクト管理システムの構築のほうが大変です。導入予定のプロジェクト管理ツールはRedmine、なかなかのつわものですが、これを新入部員に定着させるのは容易なことではありません。まだ、プログラミングもよちよち歩きの状態の彼らに如何にこのチケットの重要性とバージョン管理の必要性をわからせるか。正直かなり難題です。

ともあれ、これは部員全体で考える仕事なんで、今はおいといて、我が部のサーバーシステムの概要を話そう。
高校(中高一貫だが)のクラブとしてはかなり珍しく、灘校パソコン研究部ではサーバーを導入しWebサーバーを立てるというレベルではなく、ActiveDirectoryDomainServiceまで立て、部のIT資源の一元化、そしてサーバー自体はHyper-Vによる仮想マシンによって行い、四台のサーバーを一台で管理するデータセンターと同じ管理方法を確立、すべてのマシンの状態は統計として集められ、解析する。(この辺を一括で行うSystemCenterOperationManagerは試用版なのでそろそろ使えなくなるんだが・・・)さらには、最近クラスタリングまで行うようになり、企業のデータセンターの小さい版のようなレベルまできています。
そして、私はこのシステムを三分割して考えています。

ひとつは「物理レイヤー」
これは実際のネットワークのつながり、ストレージ容量、CPU処理能力、メモリ容量等の物理的な面を担うレイヤーで、一番下に置かれます。この内容によっては次の仮想化レイヤーに大きな制限がかかるため、その点では一番重要なレイヤーとも取れます。また、故障排除によるシステムの安定性を担う部分でもあります。

次に「仮想化レイヤー」
我が部のシステムの根幹を担う仮想化技術を扱うレイヤーです。位置はもちろん物理レイヤーの上、ハイパーバイザの種類や形式、クラスタリング構成や各種仮想マシンの配置状況、リソースの利用状況などのを担うレイヤーで、物理マシンと次のサービスレイヤーをつなぐ役目を持ちます。システムの可用性や対障害の性能を決めるレイヤーで、物理層で解決しきれない故障をここで吸収してシステムの安定性を図ります。

次に「サービスレイヤー」
本来ならばもうひとつ「仮想マシンレイヤー」をかますべきなのですが、現在そこまでシステムも強大化しておらず、需要が無いため設けませんでした。(正直かませてやると引継ぎが面倒)
実際のサービスを提供するレイヤーで、仮想マシンのゲストOS、IPアドレス、サーバーソフト等を担います。具体的なサービス提供を担うため、ここの質によりサービスの性能が決まります。
我が部ではこのサービスレイヤーを「Windowsサイド」と「Linuxサイド」の二つに分けています。
WindowsサイドではActiveDirectoryを中心とする、Microsoftの持つテクノロジーを活かした統合システムを提供し、複数の仮想マシンでサービスを提供しています。基本的にLinuxサイドでは実現できないサービスをこちらで提供します。まあ、そうなるともちろんActiveDirectoryを中心とする「統合サービス」が基本となりますね。
LinuxサイドではWebサーバーはもちろん、メールサーバー、FTPサーバー、ファイルサーバー、プロジェクト管理、データベースサーバーなどを提供しており、どれもこれも一応スタンドアロンでも動くことが可能なのですが、最終的にはActiveDirectoryで統合という形で運用されています。

将来的にはサービスのクラスタ化や、部員向けクラウドサービスの提供なども行いたいですね。
まあ、理想像ばかり語っても仕方ないので、とりあえず、今は目の前の目標を達成する。

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